喫茶店ファミーユ 電波世界支店

美少女ゲームオタクがあれこれ書きます。

【総括】俺たちに翼はない 10th Anniversary Book~For example,like this Memories~

みなさんコンドルワ。のすでございます。

 

このブログにまた帰ってきたのも何ヶ月ぶり…?というお話でございまして。

こういうの習慣化させるのは難しいなあと。それこそ、ウン十年前はよく毎日こんな感じのものを書いていたというのに。

 

いかんいかん、思い出話に浸っている暇はないのです。

さっさと本題へ入りましょう。

 

実はそろそろあの日から間もなく半年が経とうとしています。

それは、C97の3日目…そう、僕がおれつば10周年記念本を頒布したあの日です。

 

先日はアクキーと一緒に通販もして。

 

 

 

 こちらもほしい方の手へ渡ったみたいでよかったです。

(というか通販を始めた頃から随分経っているじゃあないか…こわい。)

 

 

といった具合で半年経とうとしていましてね。

改めて最終報告といいますか、色々振り返ったりだったり今だから出せるお話だったりで最後にもうちょっと皆様と楽しくできればと思います。

どうぞご覧あれ。

 

INDEX

 

 

 

1.こういうのって落ち着くべきところに落ち着くんですね。

 

何やら不穏な感じで始まりましたが。

全然不穏じゃないです。

 

今回の10周年記念本ですが、実は結構強気に 150部刷りました。

これを決めたのは深夜だったんですよ。いやあ、深夜のテンションのよくないことよくないこと。

後々に多少調べてみると「初参加は50~100!」みたいなこと書かれていて

「やっちまったなあ…」と焦ったのももはや今となっては夏の日陰のような心地よさすら感じます(もっとはやく調べろ)。

 

そんな感じではございましたが。

人たちへお渡しすべき分こそ残っていますが、おかげさまで今手元には片手で数えられる分しか残っていません。

いわゆる完売!というやつです。

 

これに関してはおそらくこれを読んでいらっしゃる皆様が宣伝に協力してくださったおかげでございます。

これのお礼をまずしたくて。

 

本当にありがとうございました。

人生で一度言ってみたかったんです、「新刊完売!!」っていうアレ。

声に出して読みたい日本語ですよ。ちなみに一番好きな声に出して読みたい日本語は御成敗式目です。

そんな野望もこっそり達成されました。つくづく頭が上がらないものです。

 

2.しかし当日はとても慌ただしかった。

 

一応出展側としては初参加(一応?)だったので、実際当日の雰囲気がいまいち予想できなくて。

ギャルゲ島はいい意味で平和なのでそれなりにのんびりやれるだろうとさえ考えていました。「さ、いっちょ怠惰という大罪を犯してやろうか」くらいの気概で。

 

終わった後の感想「ぜ、全然暇じゃねえぞ…」

 

それこそ始まる前なんて僕としては普段からTLでお世話になっている人たちの顔ぶれに挨拶していささか気持ちも落ち着いたんですけどね。

いざ始まったらほんとに期待をいい意味で裏切る程お越しいただけました。今でも首をかしげる話なんですけどね。

当日の行動を如実に再現して話すのであれば、椅子に座るやいなやお客さんがいらっしゃって嬉しくて立って本を渡してちょっとお話したりなんかしてまた座ろうとしたらいらっしゃって嬉しくて以下省略。

なにも僕はビッグサイトにリングフィットアドベンチャーをしに来たわけじゃないんですよ。

 

なんて、そんなこんなで当日はブースに実に多くの人が遊びにいらしてくださいました。とっても嬉しかったです。

差し入れももらっちゃったりなんかして。ほんとはくださった方一人ひとりにお礼をしたいんですけど、慌ただしくて誰から何をもらったかうろ覚え状態で…。これもまた慌ただしかった証拠の一つです。

………

……

その、変に正当化してすみませんでした…。

いやほんと、差し入れいただいてありがとうございました。全部美味しくいただきました。おかげで正月太りが加速しました。それだけは許していない。

 

なんて。素晴らしい一日でした。忘れられない一日です。

 

3.この子に名前をつけるなら。

 

この本を作るにあたり、いくつかコンセプトといいますかテーマがあります。

そのうちの一つがこの「アルバム」です。

 

みなさんもいい歳なので(怒られる)、アルバムと云われるものの一つってお持ちだと思います。

わかりやすいのが卒業アルバムですよね。

思い出してみてください、卒業アルバムの中身を。

 

たとえば卒業までに学校で起こったことの年表。巻末には、在学中の社会情勢をまとめられたページなんてありましたよね。

たとえば写真のゾーン。あんな感じで、写真にひとことコメントがついてたりその時の気持ちが添えられていることもありましたよね。

たとえばランキング。すぐ結婚しそうな人ランキングとか総理大臣になりそうな人ランキングとかありましたよね。

たとえばああいった文章やイラスト。文集でもあるけど、あれは寄せ書きみたいに見ても面白いかもしれません。「お前ってずる賢く生きてそうだな」って書かれたのだけは一生忘れないぞ。

そして僕のSS。まああれこそ文集みたいなものだと思っておいてください。

 

こうして捉えれば捉えるほどすごくアルバムのように感じるかな~、なんて思っています。

本の装丁も縁取りをしてあんな感じになっているのもアルバムをイメージしてできた産物です。我ながら結構気に入ってるのですが、いかがなもんでしょうかね。

 

それこそ卒アルみたいに、ふと読みたくなったときに読み返したくなるようなテイストに仕上がっていたらいいな。細く長く皆様の下で愛されていればと願っております。

 

4.我が子ほど目に入れても痛くないが、それ故に目につくものもある。

 

というわけで反省会ですよ。自信を持っている作品ではございますが。

 

1点目。読み返して思ったんですけどとにかく誤字が多いですね…。

どうしてもこの確認作業というものが苦手で、これは校正屋さんが産業として成り立つのもうなずけます。なるほど世の中とはかくもよくできているものです。ちぐはぐではありつつも、こうしてそびえ立っている社会にやる気のない敬礼をしておきます。

 

2点目。鷲ひよ押し(推しではなく押し)感がすごいします。

おれつばは群像劇(ここは言い張ります)なので、個々のカップリングをもっと平等に愛してあげたかったなあとぼんやり反省しております。

 

当たり前っちゃ当たり前ですけど、僕はもちろん鷲ひよが好きです。でもたとえば「隼人と鳴の話を書け」って言われれば書けます、なぜなら草案はあるので。同じ理由でタカシと明日香の話も、です。

それでもなお鷲ひよを起用したのは、愛情が一番の理由だとは思いますが…その次にこういう文章におろした時の書きやすさが段違い、という点でした。

これのミソについて一言で言えば王雀孫先生がよく仰る「2章はビジネスで書いた側面が大きい」という点に帰結しますけど、自分の言葉で言えば「2章において、他の章と違い場面がはっきりしていることと登場人物たちのONOFFの明瞭さ」があると思います。鷲ひよはお互いが明と暗はっきりしているんですよ。おかげでちょっとした舞台装置としてのびっくりポイントが見定めやすいなあと思って書いたのがあのSSでございました。

が、その事実に甘ったれたずみんな書きたかったなあと思っています。

 

ただ、SSって読みやすさを追求するあまりページ内の文字量が少なくなってしまうので、あと2カプ分書いてたらエラい量になっていたなとも思っています。需要は置いとくにしてもおれつばのSSなんて脳内には田舎の野っぱらから聞こえてくる蛙の鳴き声くらいたくさんあるのでどこかで放流したいものです。

 

それと最後に3点目。今だから書きますが、実はシナリオライターの某ジャクソン先生をお招きしてインタビューっぽいコーナーを作ってやろうと考えていました。

しかし、紙面の都合とこの「ファンからのお祝い本」という体裁を残したいのと、わからないオファー費に苛まれて泣く泣く見送りということにしていました。

 

ただ、今考えたら「やればよかったなあ…」と思うのはすごくあります。そもそもできるかどうかは今もわかりませんが、分からないということだけが分かったままで終わってしまいまして。これが一番悔しいかなあ。

 

こうするとめちゃくちゃ湿っぽくはありますが、それでもこの本自体はすごく愛しております。

大事な我が子ですからね。目も及ばず。

 

5.そろそろ時効でいいと思うんだ。

 

何かを犯したわけではないですよ。

 

実は僕はこの本を作るにあたり、たくさんのものを参考にしています。

単純にカジュアルな雑誌も読みました。

同じような周年記念本を読んだり、読ませてもらいました。

中でも、僕が一番影響を受けているのは紛れもなく「えろげのビジュアルファンブック」です。

僕はあのビジュアルファンブックの空気感が大好きなんです。いつ読んでも面白いし、デザインはメーカーや作品によって違うし、なんといってもクリエイターのおしゃべりとかあったり耳寄りな情報があるのも魅力的です。

かくして影響を受けたこの本ですが、リスペクト先がいくつかありますのでここに自白…じゃなかった、書き残しておこうかと。

著作権の都合上、申し訳ないですがリスペクト先の中身は申し上げられません。気になる人は買って確かめてみるか僕へ個別に訪ねてください。

 

①INDEX…ピリオドビジュアルファンブックのINDEXから。さすがに大槍先生のようにヒロインたちのボトムスを切り取って~、みたいなことはできなかったけど。ピリオドビジュアルファンブックは僕が本当に大好きなビジュアルファンブックなのでぜひ読んでみてほしい。

 

②各項目の扉見出し…俺たちに翼はないパーフェクトビジュアルファンブックから。いや、ほんとにそのまんまです。本当はおれつばの幕間にある「成田隼人編」みたいな書かれているあれにしようと思っていたのですが、画像は使えないので断念。

 

③SSのタイトル…「フォセット - Cafe au Le Ciel Bleu -」の短編のうちのひとつ、「脱・カトレア記念日」より。実はほんとは結婚式の模様を描くSSにしようとしていましたがとんでもない分量になってしまったのでそっちは筆を折ったのです。なので方向転換をしてあのシーンを書いたのですが、その方向転換前の名残です。わかるとは思いますが「脱・たまひよ」はダブルミーニングです。

 ・単純に玉泉ではなくなったこと

 ・もうひよこではなくなったこと

正直パクリもいいとこですが、僕はこれ以上にしっくり来るタイトルが見つかりません。

 

④奥付…Like Life an hourビジュアル・ガイドブックの奥付より。個人的にこの奥付が一番おしゃれに出来たんじゃないかと思っています。ああいうデザインめちゃくちゃ好きなんですよ。ちなみにあの奥付、普通はあんなてんこ盛りに書かないみたいなんですけど、僕はみんなの名前がないと締まりが悪い気がしてあの分量になりました。

 

やっぱりエロゲが好きなんだなあと我ながら再認識しました。

そうそう変えられないものございます。

 

6.それでもカーテンフォールはやってくる。

 

はい。というわけで本当におしまいの時間が近づいてきました。

今から書くわけですけど、多分すごく散らかった文章になるんじゃないかな…今のうちに謝っていいですか?

なんていう逃げは置いといて。

 

そんなこんなでおれつば10周年記念本頒布から半年が経っちゃいます。

とてもあっという間です。2020年も半分終わってますもんね。

こんな風に自分で好きな作品について書こうと筆を執ったのは某Mirinさんとこの批評本からなんですけど、そこで素敵な体験をさせてもらって3年が経ったところで「おれつばでなんかしないの?」みたいなことを周りから煽られて「じゃあ…」と重い腰を上げて出来たのがこの本です。

 

正直、本当にこんな本を作るのは初めてで「裁ち切り線?なんじゃらほい」だの「トンボ?はて…」な状態でした。今考えると恥ずかしいな…。

そんな僕でしたが本当に皆様の応援で無事終えることが出来ました。お礼しかしていないけど、嘘偽りない素直な気持ちです。

 

やべ、これじゃ終わってしまうじゃあないか。

なんかもうちょっと書きたいな…。

 

そうそう。Twitterではよく言っていますが、おれつばって面白い作品だなと思います。

それこそ本出すよ~って告知をしたんですが。

 

 

このpostをRTした方、4割位はエロゲをやってるぞって感じのアカウントではないんですよ。

時間の魔法だとも重々思いますが そういうファンもたくさんいるんだなと。

それだけ多くの人に愛されている俺たちに翼はないという作品でこんなことが出来て人生でかなり大きな思い出になりました。

 

そして、「次は15周年で!!」って言葉をありがたいことに多くいただきます。

そんな期待をぼっきり折ってしまいますが…次をやるにしてもネタがないんですよ。

色んなコーナーを一気にこの本で出し切ってしまったので…。

むしろなんかありますかね。あったらください、というかあればやると思います。

せっかくなのでまたこうやってみんなでなにかやりたいなと思います。5年後もみんな協力してくれるかなあ。

 

なんて、思い返せば楽しいことだらけで、たくさん得るものがありました。ここにずっといたいなとすら思っています。

 

と、書いた今この瞬間思ったことがあります。今この楽しい世界ってグレタガルドだとか奈落に近いものがあるなあ…と。

気付けば僕は僕でグレタガルドを作っていたわけですね。

 

プレイしてたあの頃、すぐグレタガルドに逃げるタカシくんを見て「大丈夫かあ…?」と思ってました。でも今はこうして考えるとタカシくんのことを卑下できない自分がいます。

 

こうした逃避って大事だなあと改めて強く思います。現実はもちろん大事です。でも、たまにはこんな感じで浸っている時間もまた必要なんだと思います。

そう考えるとこの作品は僕の中でずっとエロゲという創作を楽しみ続けることを決定づける作品だったなと振り返ります。

 

それこそ僕たちに翼はないこともないです。だからこそ、こうして地に足をつけて進む。地に足をつけて進む以上は遠回りもする。道に迷うこともある。そんな遠回りとして、こういった現実逃避というか、エロゲという趣味でもいいのかなあとぼんやり感じました。

 

すごく規模が大きくなった割にはふわっとしたお話ですがそういうことです。

やっぱりおれつばは一生好きでいるだろうな。

 

さて、僕のお話だらけになってしまいました。

御託はそろそろ終わりにしましょうか。

 

改めまして、この一連のおれつば10周年記念本とそれにまつわる話にお付き合いいただきましてありがとうございました。

27年生きてきて、間違いなくひとつのターニングポイントになるイベントでした。

それも皆様のおかげです。僕は幸せです、重ね重ねありがとうございました。

 

お決まり中のお決まりではございますが、この言葉を持ってそろそろ筆を置くとします。

みなさんもご唱和くださいな。

 

世界が平和でありますようにー。

 

またどこかで、こういう本でお会いできることを祈りつつ。